暖房効率とは
薪ストーブに求める暖房効率とは、薪を効率良く燃焼させ、その熱を室内へより多く解き放つことにあります。
暖房効率を上げるためには、排気損失などをできるだけ少量に抑え、熱量を薪ストーブ本体に蓄えることが重要です。
同じ炎でも、排気の速度が遅いほど、伝わる熱量は多くなります。
具体的には、吸気を絞れば空気の流れは緩やかになり、多くの熱を伝えられます。
しかし、吸入する空気が少なすぎれば、次第に酸素不足による不完全燃焼が起きます。
では、どうすればよいでのしょうか。
ゆっくりと完全燃焼するように、燃焼室内において必要な場所へ必要量の空気を導き、完全燃焼させるようにすることが大切です。
エイトノットの薪ストーブは、燃焼効率を高めるため燃焼室内を高温に保ち、2次燃焼による完全燃焼を促すために、4系統から空気を供給します。
これらの空気を供給するシステムは、シンプルにワンレバーで調整ができるので取り扱いが非常に簡単です。
熾火(おきび)について
薪ストーブで十分な暖をとるために、熾火はとても重要な存在です。
温度を上げるのは炎ではなく熾火です。
燃焼室に熾火が無ければストーブ本体の温度はなかなか上がってくれません。
鍛冶屋さんが鉄を鍛えるときに、部材を炎に掲げるのではなく、赤色を通り越し白くも見える高温の炭やコークスの熾火に鉄を入れ込んで、鍛冶をしている様子を映像で見かけたことはありませんか?
立ち上る炎よりも、熾火のほうが熱が高いため、鍛冶屋さんは熾火に鉄を入れ込んでいるのです。
まずは、薪の太さや量を加減しながら、熾火を作ってください。
熾火は少ない空気で発熱を持続してくれるので、吸入空気を絞り煙突へ逃げる熱量を減らすことで、薪エネルギーの恩恵を受けることができます。
炎と煙のバランス
なぜ煙がたくさん出てしまうのか。
炎と煙のバランスが釣り合っておらず、不完全燃焼を起こしているからです。
熱(炉内の温度)、可燃ガス(薪から出る煙)、酸素(1次、2次吸気)
この3つのバランスを保つことが大切です。
あまりの煙の多さなどで、ご近所さまからクレームなどが来ないように、完全燃焼させるコツを掴んでください。
時間はかかりますが、極少量の焚きつけから徐々に熾火を増やし、薪ストーブの温度をゆっくり上げてみてください。
また、最初は煙突から出る煙を確認しながら焚いてみると分かりやすいです。
薪は細く少量で、空気をいつもより多く入れてください。
燃焼室に太い薪を詰め込んで火を付けた場合との差は、歴然だと思います。
極端なやり方ですが、経験してみる価値は十分にあります。
この様な経験を踏まえ、上手に焚きつけて煙を減らし、お使いの薪ストーブに馴れるとともに、薪エネルギーを効率よくお使いいただきたいと思います。
また、これらの取り組みが永年安全に薪ストーブをお使いいただけることにも繋がります。
炎を予測する
焚きつけた後に熾火を十分作るため、必要に応じて薪を足していくのですが、どのくらいの炎になるかを予測して、その炎に見合う薪を入れるようにします。
火を長持ちさせるために必要以上の太い薪を入れても、燃焼室の温度を下げ不完全燃焼になってしまうこともあります。
そうするとススも出て、暖かい焚き方にはなりません。
炎を制し、薪の持つエネルギーを室温に変化させるつもりで、楽しみながらコントロールしてください。
小さい薪から少し大きな薪へ炎が移り、だんだんと薪ストーブが暖まります。
熾火が十分にできたら少し大きな薪を適量入れます。
※薪の追加の手間を減らしたいなどの、お気持ちは察しますが、大きすぎる薪は入れないでください
太すぎない薪を適量使うことで煙の出る量は、かなり軽減できます。
煙が出ているということは、可燃ガスを大気中に出しているということです。
薪は貴重な資源ですので、煙も燃料として活用し、すべてを熱エネルギーに変えて恩恵を受けたいものです。